今回はFXのレバレッジ1倍で取引する際のメリットと取引方法、似ているように見える外貨預金との比較を検証します。
FXの仕組みを理解できてくると、FXが「外貨預金」と非常に良く似ている事に気が付きますよね。
日本円を外貨に換金して銀行で貯金、解約時に日本円へ換金する際の差額で利息を生み出す「外貨預金」。
外貨と日本円をやり取りして、その為替差益で利益を作るFX。
どちらも基本的には同一の投資方法です。
FXでは、「外貨預金」と同様に、忙しく為替市場のチャートの浮き沈みを監視して取引しなくても、長期投資する事も可能です。
今回は、そんなFXを長期投資する為の「レバレッジ1倍」でのポイントやメリットをまとめてみました。
逆に短期投資するための効果的な運用にスキャルピングがありますね。以下のサイトでまとめてあります。
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目次
FX取引では、常に「レバレッジ(てこの原理)」が作用して投資金額の利益・損失を増幅させています。
「1倍レバレッジ」とは、このてこの原理を「1倍」に設定してFXを行う方法。
本来レバレッジ(leverage)の意味は、少ない投資で大きな利益を生み出す様が「てこの力」をイメージさせる為にこの名前で呼ばれます。
平たい言い方をすると、口座にある残金を担保にして、大金を借りて運用する方法です。
その為、FX業者側も損失が飛び火しない様に「ロスカット」機能で防止している訳ですね。
まずは「レバレッジ」の違いによる具体的な例をあげてみましょう。
A氏は「レバレッジ=23倍」
B氏は「レバレッジ=1倍」
さらに共通条件として「必要証拠金=80万円」「ロスカット50%」と想定します。
①両氏とも「1米ドル=¥120」時に120万円を「買い」でホジションしました。
②後日、円高で「1米ドル=¥118」に急落しました。
この時の損失は「¥120-¥118=-¥2」
単純に考えると、A氏もB氏も損失は¥2万円です。
しかし、A氏は「レバレッジ=23倍」なので、損害金額は「¥2万×23倍=¥46万」
B氏は「レバレッジ=1倍」である為、損害金額は「¥2万×1倍=¥2万」で済みます。
③更に証拠金率は下記の様になります。
●A氏の証拠金率
¥80万(必要証拠金)-¥46万(損失)=¥34万
A氏の証拠金率=¥34万÷¥80万×100%=42.5%
●B氏の証拠金率
¥80万(必要証拠金)-¥2万(損失)=¥78万
B氏の証拠金率=¥78万÷¥80万×100%=97.5%
A氏は先ほどの設定のロスカット50%を割り込んでしまう為、ロスカットが発動して強制決済され損害¥46万が確定してしまいます。
B氏は自分で決済取引しない限り、損失¥2万は確定しません。
しかも為替価格がアップトレンドになり、元値以上の値をつけてから決済すれば損失ゼロからプラス利益も可能です。
A氏の様に高いレバレッジだと利益や損失も大きくなり、相場の変動に対して敏感に反応しないといけません。
ときには指値ですべってしまって取引が希望通りにいかず損失が膨らむことも。
B氏の様に低いレバレッジならば、変動率も低くなる為、相場変動を常に気にする必要は無くなります。
この様に「レバレッジ=1倍」は短期取引より長期取引に向いている方法です。
また、FX初心者が通常の取引を行う時にも、「レバレッジ=1倍」ならば損害が発生しても、小さくてすむのでトレーニングにはうってつけですね。
でも、「レバレッジ=1倍」だと、少ない為替差益だけしか利益が得られないのではないか?
そう考える人もいますよね。
でも、FXには「スワップポイント」と呼ばれるポイントが発生します。
詳細は後述しますが、「買い」ポジションを保有していると、この「スワップポイント」と呼ばれるポイントが毎日配当されます。
これにより通貨ペアを良く検討して投資を実施すれば、スワップポイントの配当を受けることができるわけです。
この様に「1倍レバレッジ」は、外貨預金に似ており、長期的な取引を行うのに向いている取引方法ですね。
これは、互いの国家間の金利から導き出される「差額」であって、プラスもありますがマイナスもあります。
「低金利の通貨を売って、高金利の通貨を買う」事でプラスの金利が発生します。
例えば、「米ドル/円」の組み合わせで想定した場合には、下記の様にスワップポイントが発生します。
この時、100万円相当のポジションを保有していた場合
100万円×1.5% = ¥15,000
1年で¥15,000の配当
¥15,000÷365日=¥41
これにより、毎日¥41のスワップポイントが配当される。
プラスであれば、毎日スワップポイントが支給されます。
マイナスの場合、逆にあなたの口座からスワップポイントを支払わなくてはならなくなります。
その為、投資前には2国間の金利をよく確認して「低金利の通貨を売って、高金利の通貨を買う」様にしなくてはなりません。
なんとなく「1倍レバレッジ」のメリットと特徴は分かりましたか?
この先は「外貨預金」との相違点や「1倍レバレッジ」のポイントをまとめます。
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外貨預金との相違点は下表にまとめました。
取引方法について、外貨預金は「買い」しか出来ません。
例えば「米ドルの外貨預金」を行った時、契約時の価格より「円高」だとマイナスになります。
FXでは自分で予測し、「売り」「買い」を選択する事が可能です。
最近は外貨預金も種類が豊富になってきましたが、まだFXの方が取扱い通貨の方が多く、豪ドルなどはもちろん、選択肢は豊富です。
取引通貨の有利な運用方法でオプション取引という方法があります。以下のサイトで解説していますのでもしご興味があれば参考にしていただければと思います。
銀行の利息と同様な配当なのが外貨預金。
FXでは毎日スワップポイントが配当されます。
ただし、FXのスワップポイントは変動する為、プラスポイントがマイナスポイントへ変動する場合もあり得ますね。
逆に高金利な組み合わせを得られると、銀行の利息を超える高配当を得られる場合もあります。
外貨預金は、実は「預金保護制度の対象外」とされています。
ですので、銀行が倒産した場合など、アクシデントに対して預金が返金される可能性は極めて低いです。
それに対してFXは「2010年より100%信託保全」が義務付けられているので安全性は高いといえますね。
「1倍レバレッジ」で運用すれば、価格変動によるロスカットのリスクも低く抑えられます。
更に「買い」だけの外貨預金と比較すると「売り」「買い」と2つの選択肢があるFXの方がリスクは少ないですね。
預けたお金の入出金の手軽さや、資金の安全性から言うと、FXで「1倍レバレッジ」を用いた長期運用がメリットは大きいと考えます。
合わせてボリンジャーバンドの理解を深めると収益を取れやすくなりますので、以下のサイトからチェックしてくださいね。
⇒FXボリンジャーバンドに欠点?スクイーズとエクスパンションの関係!
それでは初心者向けに1倍レバレッジのポイントを具体的に4項目お伝えしますね。
レバレッジ1倍が利用可能な業者は限られており、口座開設前に1倍レバレッジが可能か確認しましょう。
さらにもしあなたが、レバレッジを利かせるにはまだ早くFX初心者だと感じているのであれば、ロスカットのリスクを軽減できる、いままでの解説をまとめた以下3つの条件を兼ね備えたFX業者の口座を開設していく事を検討していきましょう。
条件1 経済指標や要人発言など有用な情報をリアルタイムで収集できる
条件2 スプレッドの変化が少ない
条件3 スワップポイントが大きい
FX業者は独自の情報調達先でそれぞれ内容が異なりますし、チャートも各社で開発し利用者の相性があるため、リアルタイム性や操作性が違ってきます。
低資金の方でしたら、勝つ為の注意点やFX業者選びのポイントも変わってきます。詳しくはこちらのサイトで解説していますよ。
これらの直感的なあなたの取引の相性を判断するためには、複数のFX口座を開設し、実際に運用してみるといいです。
より網羅的な価値ある情報を手に入れるだけでなく、よりあなたの肌感覚にあったFX業者を発見することができ、ひいては運用益にも大きく影響してくるからですね。
そして先ほど述べた、最低必須の3つの条件をきっちり満たす、初心者におすすめのFX会社としては、
DMMFX
GMOクリック証券
ヒロセ通商
の3つの口座を開設することを、私個人としてはお勧めします。
この3業者の特徴と開設すべき理由については、以下のサイトで分かりやすく解説していますので、合わせてチェックしてみて下さい。
⇒FXで主婦が大損する理由は?失敗しないおすすめ証券会社紹介!
先に説明した様にスワップポイントは逆に自分が支払う場合も発生します。
その為、
「低金利の通貨を売って、高金利の通貨を買う」
という通貨ペアを選択しなくてはなりません。
現在、日本は低金利なので、FXで「外貨:JPY」の買いポジションであればスワップポイントが発生することが多いです。
特に高金利の通貨として有名なのは、前の記事でご紹介した「豪ドル」「NZドル」などがありますね。
豪ドルについての記事はこちら!
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ただし、スワップポイントは変動するものであり、ときどき金利差が逆転していないかを確認する必要がありますね。
当然、長期間の預け入れではその資金を他へ流用する事は出来ません。
ですので、資金としては当面必要のない資金を投入するのが良いでしょう。
FXですから予期せぬアクシデントや変化起こりうる事を想定し、ただ「塩漬け」にしておかずに通貨ペアの動向を確認しましょう。
特に漠然と預けるのではなく、ルールや計画を持って行動する事で損失を最小限に抑えることが出来ます。
FXの長期投資に関して、スワップポイントが得られる高金利な通貨「豪ドル(オーストラリアドル)」に関する動画をご紹介します。
「1倍レバレッジ」の運用にもデメリットはあります。
①長期計画となる為、金融不安や予測不可能な事態に遭遇する可能性がありうると言う事。
②スワップポイントは変動するので、最初はプラス金利でも金利が減少または逆転が起こる可能性もある事。
しかし、自己責任ではありますが、現在の経済状況から推測し「売り」「買い」を選択して資金投入出来るのは、「買い」ポジションでしか保有できない外貨預金に比べると大きなメリットですね。
「解約」も手軽に行うことも可能ですし、FXの「1倍レバレッジ」で「外貨預金」を行うのも資産運用のひとつの手段ではないでしょうか?
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