前回「レバレッジ1倍」と「外貨預金」との相違点などを話題として比較説明しました。
今回はもう少し「レバレッジ1倍」に関して具体的なロスカットに関するご紹介とリスクや実際の会社の例を中心として、「レバレッジ」に関する情報をお伝えしたいと思います。
今回は「レバレッジ1倍」についてお伝えしますが、本記事の後半では「レバレッジ」に関する資金運用の詳細をご説明しています。
通常のトレードを行う投資初心者から中級者であっても理解しておくと、FXトレードを行う上では非常に有利です。
詳しく追って見ましょう!
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目次
FXをしていると忘れがちになるのが「レバレッジ」ですが、計算が必要でわずらわしく、とっつきくにくい要素ですよね。
FXにおいてのレバレッジの効果に関して、用語の辞典などでは「てこの原理」で例えられています。
図の取引金額に対して乗算される指数であり、日本国内では「最大25倍」までと指定されていますね。
図引用URL:http://lounge.monex.co.jp/advance/fx/fxkoza-03.html
「レバレッジ1倍」に関してメリット・デメリットについてご説明しました。
次はFX会社の選択です。
つい、FX初心者だと「レバレッジ=25倍」と勘違いしてしまいますが、実は「固定制」と「変動制」の2種類を採用されており、FX会社によって違います。
まずは、各FX会社の採用している「レバレッジ方式」で表を作成しました。
実はこの「変動制」と「固定制」、何が違うかというと「ロスカット」の設定だけです。
「固定制」を採用しているFX会社で取引をしても、我々の利益は常に25倍される訳ではありません。
ではどんな時に「固定制」が採用されているかというと、「ロスカット」の額を決定する時の「レバレッジが最大25倍」である事をあらわしています。
「固定制」でのロスカット金額(必要証拠金)は下記の式で算出可能ですよ。
ロスカット金額(必要証拠金)の計算式
例)1ドル=125円で5万円のトレードをレバレッジ25倍で実施した場合。
・1ドル=125円
・取引数量=1万通貨
・レバレッジ=25倍
・預入資金=10万円
これを【式1】へ代入すると・・・
ロスカット金額(必要証拠金)=(125×10,000)÷25=50,000円
計算結果では、必要証拠金が5万円以下になるとロスカットが発動します。
今回は預入資金が10万円ですので大丈夫ですね。
ただし、この計算式は基本的な数値を算出するものであり、FX会社では「証拠金維持率の何パーセントを下回った場合」「有効保有額が証拠金の20%を下回った場合」などの相違があります。
「変動制」では実際に取引している取引数量と証拠金額から算出したレバレッジが作用します。
各FX会社によってロスカットルールは異なる為、具体的な例を示すことはできませんが、各社別の「ロスカットシュミレーション」がありますので、そちらで金額をご確認してみてください。
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さて、「変動制」を採用しているFX会社での「レバレッジ1倍」は簡単に設定する事ができます。
「固定制」では、「レバレッジ25倍固定」が基本ですが、少しの手間で「レバレッジ1倍」で資産運用が可能です。
例として「DMM.com」と「ヒロセ通商」で「レバレッジ1倍」を設定してみましょう。
まず気をつけないといけないのが、DMM.comの取引単位は1万通貨になります。
これは1ドル=100円の場合、1万通貨の米ドルを買うと100円×1万通貨=100万円になるわけです。
証拠金としては1万円などの小額から始めるには敷居が高いFX会社ですね。
さらにレバレッジ25倍固定ですから、FXツールにはレバレッジを「実質的なレバレッジ」を確認できる機能がありません。
ですので「実質的なレバレッジ」を確認するには下記の式を利用します。
ちなみに
取引数量(ロット数)=(注文証拠金÷現在レート)×実質的なレバレッジ・・・【式3】
注文証拠金=(現在レート×取引数量)÷実質的なレバレッジ・・・【式4】
で求められます。
例えば「レート=125円,注文証拠金=2,000,000円」とした場合、レバレッジ1倍の取引数量を求めるには【式3】を使うと下記の様になります。
取引数量=注文証拠金÷現在レート・・・【式3】
=(2,000,000÷125)×1=16000
=16000÷10,000(最低通貨単位)
=1.6Lot
2,000,000円の入金時、1.6Lotの取引で実質的レバレッジは1倍相当になります。
証拠金維持率(預入資金÷証拠金)×100)が50%を下回った時にロスカットが発動します。
さきほどの【式1】からロスカット金額を算出が可能です。
例)
「レート=125円,取引数量=1万通貨,レバレッジ=1倍」とした場合
【式1】ロスカット金額(必要証拠金)=(通貨ペアレート×取引数量)÷レバレッジ
ですので、
ロスカット金額(必要証拠金)=(125×10,000)÷1=1,250,000
証拠金維持率((1,250,000÷1,250,000)×100)となりますから、その50%以下
1,250,000÷2=625,000円以下がロスカットの基準になります。
基本的な仕様は「DMM.com」と同様であり、先の実質的なレバレッジで算出し、運用を行います。(ヒロセ通商では「注文証拠金」=「有効証拠金」です)
「DMM.com」と違う点として、「ヒロセ通商」のFXツールでは「実質的なレバレッジ」を確認する事が可能なんです。
しかし、「ヒロセ通商」は各通貨ペアで「必要証拠金」という物を定めています。
対象の通貨ペアで取引を開始する時には口座の中に「必要証拠金」だけの金額が入金していなくてはなりません。
「必要証拠金」については、公式HPの下段に「ヒロセニュース.各システム必要証拠金一覧のお知らせ」から確認可能です。
ヒロセ通商は分かりやすく、預入資金が必要証拠金を下回った時にロスカットが発動します。
【式1】からもロスカット金額を算出可能ですよ。
「レバレッジ1倍」とは、運用可能な金額に対して「1倍」で行うことをあらわします。
大量の資金を投資して、長期間ポジションを保有して数円の為替変動から利益を得る事になります。
前回記事でも「レバレッジ1倍」と「外貨預金」の相違点をご説明しましたが、「レバレッジ1倍」でのFXトレードを行うメリットは以下の項目があります。
FXにおいて取引に対する手数料は、スプレッドと呼ばれる数円~数十円程度であり外貨預金で支払う手数料よりも圧倒的に安いのが魅力です。
「外貨預金」では「売り」は出来ない設定になっています。
「外貨預金」では「買い(円安傾向)」の時だけ利益が発生するのに対して、FXでは状況を分析し、「売り(円高傾向)」「買い(円安傾向)」を予測して取引を開始する事が可能です。
「外貨預金」や「国債」などに比べて対応している通貨が多く、FXではその時の世界情勢を考えて取引を開始出来ます。
レバレッジ1倍は、「1倍の利益」しか得られませんが、「スワップポイント」と呼ばれる金利が発生する事で銀行預金では得られない程の高金利を得られる場合もあります。
なかでもトルコリラは口コミ等では高スワップポイントであるという事で評判です。
外貨預金では本人の意思に関わらず、「満期」が到達すると取引は終了してしまいます。
FXでは、そうした「満期」はありません。
さらに大体の時には24時間営業ですから、損失が発生しそうな時には即座に取引中止が可能です。
また、逆に為替変動が大きく発生してその影響が継続している間、取引を継続して利益を受ける事が可能です。
さて、FXでの「レバレッジ1倍」を端的に表現すると、「融通の効く外貨預金」といえます。
ですが、よい事ばかりではありません、デメリットに関してまとめてみました。
すでにご説明済みですが、「1倍に何を掛けても1倍」です。
100万円のトレードをしている時、1ドル=100円が102円に変動しても得られる利益は、為替の変動額分である「2万円」です。
一番重要な項目ですね。
FXは「元本を保証した」取引ではありません。
元の資金額よりも目減りする、または「ゼロ」や「マイナス」となる危険性があります。
失敗するリスクも含めてこの手法を評価する必要があります。
当然、「ロスカット」も存在しますから、そうした危険性に対しての認識も必要です。
しかし、「外貨預金」も「元本割れ」はありますから、危険性に関しては同じと考えてもよいでしょう。
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動画では「レバレッジ」など基本的なルールについて、“おさらい”しておきましょう。
「FX レバレッジ、証拠金維持率、マージンコール、強制ロスカットとは?」
レバレッジの倍率は、個々の取引ではなく証拠金を基準として産出されたレバレッジが一律に作用します。
その為、同一口座内で通常のFXトレードとレバレッジ1倍を併用することは出来ません。
もし「通常のトレード」と「レバレッジ1倍」を併用したい場合、もう1社新しくFX会社に口座を開設するのが良いでしょう。
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