今回、ご紹介する「通貨の強弱」。
こちらでは単純にテクニカルな視点からのテクニックをまとめていますが、下記の注意点を忘れずに運用して下さい。
まずあなたが初心者ならば、「米ドル/日本円(USD/JPY)」を基準とし、他の通貨ペアには手を出さない事。
単一の通貨ペアでもそうなのですが、最小限の経済情報に注意してトレードしていないと「サブプライム問題」や「天災」の様な変化が発生した時に対応が遅れる危険性があります。
特に日本円以外の通貨ペアを扱う場合、その国の経済状況について知っている事は有利に働きます。
単純にチャートだけを見てトレードを行う「テクニカル分析」だけで他国通貨ペアを扱うのは、何か変化があった時に危険ですよ。
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目次
前回記事でもご説明しましたが、通貨にはその時の状況で「強弱」が存在します。
日本円で言うならば、「円安」「円高」という言い方がそれにあたりますね。
この先紹介するチャートは「米ドル/日本円(USD/JPY)」のチャートです。
チャートが下方向へ動けば「円高」、上方向へ動けば「円安」です。
これを「強弱」で言い換えれば、下方向に動いた時には「円が強い」、逆に上方向へ動いた時は「円が弱い」ということになります。
「強い通貨」と言うのは、買われている通貨です。
「弱い通貨」は売られている通貨。
すると、「強い通貨」は買い注文、「弱い通貨」は売り注文が殺到している訳です。
ならば、「一番強い通貨」と「一番弱い通貨」をペアにして、「強い通貨」の「買い(売り)注文」でトレードを行えば利益が出るという事になります。
具体例で行きましょう。
下図は 2016年2月23日のチャートです。
このチャートを比較して、「通貨の強弱」を利用したトレードを行ってみました。
例えば、「米ドル」「日本円」「ユーロ」の通貨同士を比較した場合。
そのペアは「米ドル/日本円」「ユーロ/日本円」「ユーロ/米ドル」の3通りになります。
トレードした時は17時ですので、下図のチャートも修正して17時以降を暗くしてあります。
「米ドル/日本円」の場合、米ドルが強い通貨
「ユーロ/日本円」の場合、日本円が強い通貨
「米ドル/ユーロ」では米ドルが強い通貨
この3種類のチャートから、「日本円>米ドル>ユーロ」となり、「強い通貨=日本円」「弱い通過=ユーロ」
ということで
「日本円/ユーロ」
の組み合わせで「売り注文」が、このチャートでは一番利益が出やすい注文となるわけです。
ちなみに注文は17時にトレードし、結果は下図の通りで17時に3Lotで発注し21時に決済して1000円の利益になりました。
※クリックすると拡大してご覧になれます。
例えば「円高」「円安」の様に、大きなトレンドが発生するには必ず原因があります。
その「きっかけ」となる事柄は、世界経済の動向から見出す事が可能です。
チャートの動向だけを監視する「テクニカル分析」と違い、こうした世界経済から動向を予測する方法を
「ファンダメンタル分析」
と呼びます。
これができると、近々の価格動向の変化を予測する事ができ、すばやくチャートの変化に対応する事が出来ます。
それでは、「米ドル/日本円(USD/JPY)」において「円高」「円安」になる要因をまとめてみます。
新聞やニュースでこのキーワードが出た時には、トレンド発生に対する注意が必要です。
・石油価格
単純に石油価格が上がれば「円安」
石油価格が下がれば「円高」
傾向になります。
・中国経済の変化
現在の世界経済において、その原動力の一端を担っているのが中国経済です。
中国経済の景気によって、為替市場も多大な影響を受けます。
・貿易収支
日本の貿易収支が黒字傾向であれば「円高」傾向ですね。
・金融緩和
日本銀行や政府から「金融緩和」というキーワードが出た場合は要注意です。
「緩和」の通り、日本円が大量に市場へ投入される為、資本家達は日本円の価値低下を懸念して撤退して
「円安」
になる場合があります。
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最初に説明した様に、我々は「米ドル/日本円(USD/JPY)」の様に通貨ペアで動向を監視しがちです。
しかし、「通貨の強弱」を取り入れて考えると、「日本円」ならば「日本円」を基軸に複数の通貨ペアを見直す事で、より利益が得られる有利な取引が可能になります。
複数の通貨ペアを1つの集合体と捉えた場合の「通貨ペア」をご紹介しましょう。
基本的な通貨ペアですね。
この通貨ペア群は安定している印象がありますが、トレンドが発生すると数時間持続する傾向があります。
その為、「波に乗れば」かなりの利益を得られる事が可能ですね。
英ポンドはかなり浮き沈みの激しい特徴を持つ通貨です。
その為、英ポンドが絡む通貨ペアでは、「1時間足」以上の長い時間軸でのトレードを推奨します。
「資源国通貨」である豪ドル、最近は「米ドル」も石油を輸出開始したので資源国通貨ともいえます。
この通貨は原油と密接に関係しており、石油が買われると通貨の買いも増える傾向にあります。
また、スワップがプラスとなるのも特徴ですから長期間でのトレードが理想的です。
前回記事『FXダウ理論のテクニカル手法!チャート分析でトレンドを知る!』で「ダウ理論」の「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」という法則がありました。
それと別に「FX狙い目は月曜日?土日祝日に値動きは?通貨の傾向も検証!」で「時間」(日本市場時間,ロンドン市場時間,アメリカ市場時間…etc)によって価格動向が変化する話もご紹介したと思います。
このふたつから、今回の「通貨の強弱」も絶対的で永続する物ではなく、その時々の状況で変化する可能性があります。
トレンドが切り替わるひとつの「節目」として、下記の時刻には注意が必要です。
日本市場でお昼を迎え、午前中の取引を決済する傾向があります。
これによってトレンドが収束し、午後から新たな方向へのトレンドが発生する可能性があります。
ロンドン市場の開場時刻では、特にEU地域の通貨が活発な動きを見せる場合があります。
また、12時からのトレンドが収束する節目として注意が必要です。
アメリカ市場が開場し、経済指標の発表が多数あります。
米ドルと関係ない通貨でも、発表内容によっては米ドルを手放して他国通貨へ切り替えが加速する場合もあります。
その時の状況を確認し、必要ならば上記に挙げた時刻前までに決済しておくのが安全でしょう。
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「通貨の強弱」はひとつの目安であり、FXの基本である「サポート」と「レジスタンス」が影響します。
短時間足だけに注目していると、強力な「サポート」や「レジスタンス」には注意しないといけません。
そうした基本を無視していると、エントリーした途端に動向が反転する場合があります。
今回の動画はそうした「FX エントリーした後レートが逆行する理由。」をご紹介しておきます。
実際のところ複数の通貨ペアでトレードを実施する場合でも、一般に流布している経済ニュースを確認する程度でもOKです。
更に言えば、世界経済が安定している時はチャート動向だけで行うテクニカル分析でも基本的には問題ありません。
しかし、為替市場に大きな変化を起こす事件を察知するには、経済情報とそれに基づく「ファンダメンタル分析」が必要です。
ほとんどの人は気にして自分から取得しないと、他国の経済情報は手に入りません。
今回、ご紹介した情報を元に積極的な情報収集を行う事で、変化を察知して助かる場合もあります。
普段からそうした経済情報にも目や耳を向ける事が大事です。
その為にも、普段からテクニカル分析を使用する手法と、ファンダメンタル分析を使用する手法の併用して取引しておくのもおすすめです。
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