前回の記事では、「単純移動平均線」のみを使用して、簡単にシンプルに実施出来るトレード方法を紹介しました。
今回は「単純移動平均線」と「エンベロープ」の2つのテクニカル分析手法を利用した実例をご紹介しましょう。
このテクニカル分析法を利用できれば、機械的に収益をたたき出すことも可能です。
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目次
エンベロープは、移動平均線の平均値から計算し、その結果を乖離線にして表示したテクニカル指標です。
移動単純平均線から派生したもので、元となる「移動平均線」からどの程度離れているかを視覚化しています。
乖離線は上下に配置され、チャートラインがこの線に触れた時には、反転する可能性があり、売買のサインとして利用されています。
ボリンジャーバンドに近いようにも見えますが、ボリンジャーバンドは計算上、チャートラインの変動幅に合わせて幅が拡がったり、狭まったりします。
ボリンジャーバンドについては以下のサイトで詳しく紹介していますのでぜひチェックしてみてくださいね。
エンベロープでは計算方式が異なるためそうした変化が少なく、基本的にチャートラインに対して平均した幅を維持しながら描画されます。
その為エンベロープでは、下の図のようにボリンジャーバンドよりも上下限が確認しやすくなっています。
ちなみに、エンベロープを使ってトレードを行う場合には、下記の3ルールがあります。
2つの指標「単純移動平均線」と「エンベロープ」は、チャートのトレンド方向の確認と反転ポイントを確認を効果的に行うことができます。
上図に示した様に、「単純移動平均線」で表される短期・長期それぞれの平均線の交差点によりトレンドの始点が示され、単純移動平均線に基づいてトレンドの乖離率を「エンベロープ」により視覚的に確認することができます。
「単純移動平均線」も「エンベロープ」もその表示はあくまでも「予想値」であり、絶対的なものではありませんが、指標としては充分に役に立つテクニカル分析です。
それでは、実際にチャートを利用して2つのテクニカル指標を利用したトレードをみてゆきましょう。
一番始めに、前回記事で説明した「サポート&レジスタンス確認」「トレンドの有無確認」「長時間足から短時間足を確認」を行って適切な通貨ペアを選択します。
今回は「ユーロ/米ドル(EUR/USD)」を選択します。
下図に示した範囲が「サポート」と「レジスタンス」を表します。
次にチャート自体の動向を確認します。
チャートの軌跡はアップトレンドを形成して「買い」を示しており、上の図で確認すると、チャートはアップトレンドで、レジスタンスラインに到達するまでは少しの猶予があります。
よって現在のトレードとしては「買い」になります。
それでは次に、「単純移動平均線」を確認してみましょう。
チャート最先端から一番近い辺りで、アップトレンドを示す「ゴールデンクロス」が形成されています。
これにより「単純移動平均線」からは、「買い」の傾向を確認することが出来ます。
「エンベロープ」を確認すると、上ラインに到達するにはまだ余裕がある状態です。
定石通りであれば、エンベロープの上ラインに接触するまでアップトレンドと考えられます。
しかし、近々のローソク足をみるとマイナス(青)のローソク足であり、ダウントレンドに移行する様にも見える状態です。
ここでいったん、今までのテクニカル分析の情報を整理してみます。
まずは、今まで見てきたことの基本的な分析結果をまとめます。
更には今回の「単純移動平均線」と「エンベロープ」から分析した結果をまとめます。
この様に整理してテクニカル分析の結果を比較・判断すると、レジスタンス線の近くまで「買い傾向」だと判断出来ます。
このように複数の条件からトレードを選択するには、個々を整理して「買いサイン」と「売りサイン」のどちらかが多く出ているかを確認するようにします。
ですが、やはり最後の確認は本人の経験則による選択が重要です。
今回は圧倒的に「買いサイン」が強いので、「買い」でトレードを開始します。
「指値」はレジスタンス線の少し下、「逆指値」の値設定は個人によって相違がありますが、今回は「指値」と同額のマイナス値にしてみました。
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それでは、チャートがどのように変化したか確認してみましょう。
結果としては予想通り「指値ライン」に到達して自動的に決済されました。
もしチャートを常に確認できる時間的余裕がある場合、指値指定を行わずに細かく取引を行えばより多くの利益を得られる事が出来るでしょう。
しかし、そうでなくてもFXで利益を出すためには時折チャートを確認するのが大切です。
チャートが急変して思惑とは違う方向へ進み出したり、逆に強いトレンドが形成されてより多くの利益が望めそうなチャートになるなどの変化が発生するような場合に対応しなければなりません。
単純に今回のような手法で一度設定した「指値」「逆指値」を厳守するのも良いですが、近況を反映して「指値」「逆指値」の見直しを図るのもトレードでは有効な方法です。
FXで用いられる手法の一つに、数秒~数分単位の短期取引を繰り返す「スキャルピング」というものがあります。
近年では、FX業者が顧客獲得のために狭いスプレット幅を売りにしていることもあり、スキャルピングを行いやすい状況になっています。
スキャルピングを行うためには短期間のチャート変化を見極めることが重要ですが、エンベロープを利用すれば短期間のトレンド予想がより容易になります。
今回は「単純移動平均線」と「エンベロープ」の2つを利用して具体的なテクニカル分析の手法をご紹介しました。
このような方法を用いたとしても トレードで一番困るのが、「逆指値」の設定ですね。
つい躊躇しがちになりますが、逆指値の設定は、あらかじめ指定しておくのが絶対良い方法です。
逆指値の設定をしておかないと、必ず「損切り」時に迷いが出ます。
「いずれ値が戻るだろう」
「損切りした途端に値が戻ったらどうしよう…」
そんな自分に甘い決断をして損切りしないでおくと、結果的に損害を大幅に拡げる可能性があります。
特に経験の浅い初心者の方は「逆指値」は必ず設定しておきましょう。
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