今回は21世紀になってから急速に成長し、世界経済の覇者となりつつある中国の通貨「中国人民元」を取り上げます。
現在、「日本円」「米ドル」「ユーロ」等がメジャーな通貨として取引されています。
「中国人民元(以下、人民元)」は、まだマイナー通貨に分類されます。
これは、中国が「資本主義」ではなく「社会主義」である事が一因なのです。
ですが、今後は経済界で勢力を拡大させてメジャー通貨となる日が来るかもしれません。
そんな成長途上にある通貨ですから、投資家にとっても為替市場で大きな利益を狙うことが可能です。
そんな魅力的な通貨の今後のレートを大胆予測してみました!
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目次
先に述べた様に「中国」は、資本主義国家ではありませんよね。
その為に様々な制約や他の通貨と違う特徴があります。
「成長期だから!」と安易に手を出してしまうと大損をしてしまいますから、まずは基本的な事を学んでいきましょう。
実は「中国人民元」は、「CNY」と「CNH」とふたつ存在します。
簡単に説明すると、「CNY」は中国国内市場で利用され、「CNH」は、世界向け市場の取引で利用されています。
図引用URL:https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/world/info/cndb/rmb/pdf/double.pdf
また、国内市場を「オンショア」、海外向けを「オフショア」と言います。
国内市場は通貨本来としての機能、国内経済を動かす"血液"としての機能を優先しています。
海外向けは、為替市場での利用を目的として取引される通貨です。
ですが、どちらも基本的には為替市場で売買する事が可能です。
しかし、基本的にFXで取引可能なのは「CNH」となります。
人民元のレートを確認していると耳にするのが「RMB」です。
違う通貨に聞こえてしまいますが、実はこれは前項で解説した「CNY」と同様に 「人民元」を示しています。
中国国内では「RMB」は「Rénmínbì(レンミンビィ)」と呼ばれ、その略語です。
そのためカッコ書きで「RMB (CNY)」や「CNY (RMB)」と表記されることがあるのです。
こうした用語を勘違いしないように注意しましょう!
20世紀初頭では、中国人民元は中国国内だけで取引や両替が可能でした。(「CNY」オンショア市場)
しかし、経済発展による海外への影響力が拡大して行くことにより、各取引をスムーズに行う為にも中国以外で「人民元」の取引が可能となりました。(「CNH」オンショア市場)
日本では2012年以前は「CNY」だけで極めて特殊で限定的な通貨でしたが、2012年以降には解禁され、「人民元/日本円(CNH/JPY)」の直接取引が可能となったのです。
「人民元/日本円(CNH/JPY)」は為替市場で解禁されて新しい通貨ですから、まだ取扱い会社は多くはありません。
「人民元/日本円(CNH/JPY)」を取扱い、さらに知名度が高いFX会社は下記の5社でしょう。
・楽天証券
・外為どっとコム
・SBI FXトレード
・IG証券
・YJFX!
「人民元/日本円(CNH/JPY)」は人気が高い通貨ですが、新興国であるがゆえにリスクもあります。
まずは「CNY」と「CNH」の相違による違いです。
「CNY」と「CNH」は、 下記のような違いがあるといわれています。
①「CNY」=東京金融取引所に上場する「くりっく365」
②「CNH」=通常の人民元FX
一般的には、②「人民元/日本円(CNH/JPY)」で取引する事になり、こちらは問題ありません。
しかし、①「くりっく365」は中国国内の通貨「CNY」(オフショア)を使用しています。
この場合、人民元は中国国内で取引されるので、政府(中国人民銀行)の厳しい統制や流通コストの高さなどの制約が多く、利益はあまり望めないのが現状です。
特に「CNY」のスワップポイントに関しては、「買い注文」「売り注文」どちらでもマイナス金利が付与されてしまいます。
取り引きする際、その通貨が「CNY」と「CNH」のどちらなのか確認するようにしましょう!
2013年に中国はシャドーバンキング問題というものが発覚しました。
国家が投資運営をする時、資本が天文学的な数字になってしまうため、為替市場への影響が大きくなってしまいます。したがって、情報開示をして一般の投資家に動向を説明する必要があります。
しかし、中国はそれを無視して証券会社やヘッジファンドなど民間の会社を経由して金融投資を行っていました。
簡単に言うと中国国家は、国家ぐるみで為替操作をして人民元を操作していたのです。
これは違法ではありませんが、「してはいけない」不文律的なルールです。
また、これを発端として現在は中国経済にブレーキがかかっています。
日本のバブル景気と同じ動向です。
例えば、2015年に発生した株価大暴落が記憶に新しいかもしれません。
そんな事態が起こると、中国政府は人民元の切り下げを行う可能性が高くなります。
その為、人民元で「円売り」続けていると、突然に下落が発生し損害を被る可能性があるわけです。
中国はあくまで「社会主義国家」であり、「資本主義」「自由貿易国家」ではありません。
人民元は中国政府が厳密に管理しており、前触れなく変動する事があるリスクを知っておかなくてはなりません。
実際にトレードしてみる際には以下のページにある期待値の計算を使用して、リスクの大小を算出する方法をご紹介します!
・FX期待値計算でなぜ勝てない?確率論応用手法と勝つための心理!
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図は2016年12月から2017年5月までの「人民元/日本円(CNH/JPY)」です。
推移としては円高傾向にあり、これは「不動産バブル」と先に説明した「株価大暴落」の影響だと予想できます。
ただし、2017年4月から再び円安傾向へ振れています。
単純に考えると先の不安要因に対して、国内での処理に目途がついたと考えられます。
また、旧正月明けである事も一因でしょう。
2015年から2017年現在までのチャートを確認してみましょう。
2015年で大きく円高に振れていたチャートラインは、2016年でダウントレンドに入っています。
2016年から2017年現在は、レンジ相場的な動きで推移しています。
レンジ相場の判断方法は以下のページで詳しく解説しています。FXでは基本事項になりますので、頭に入れておくことをおすすめします!
・FX相場をトレンドとレンジで見極める!インジケーターを利用した判断方法
2012年から日本との直接取引が開始され、順調に成長していた中国経済が近年でつまずいた事が如実にわかるチャートになっています。
2016年初頭に底値に達して、2016年中ごろから2017年現在までで「ひと段階」価格が上昇しています。
今後はこの上昇が継続するか、または経済成長にブレーキが発生して下落するのか、その動向に注目です 。
図は2017年のチャートへ「一目均衡表」を適用してみました。
2017年初めから上昇雲へ移行し、チャートラインは大きく下向きになっていた推移が上昇して雲を抜けています。
テクニカル的には下降雲付近にあるレジスタンスが抵抗帯として気になりますね。
多くの経済ニュースやコラムを読むと、中国人民元はゆるやかに上昇するという情報が支配的です。
「人民元/日本円(CNH/JPY)」は、一般的に「価値が低い通貨」と考えられています。
現在の中国は世界経済に大きな影響力を持っている事は、皆さんもご存知ですよね。
更に中国の主要輸出先はアメリカです。
その為、貿易赤字国であるアメリカが中国に対して人民元の切り上げを要求しています。
これが「価値が低い通貨」とされている理由です。
以上のことから経済力の割には通貨の価値が低い、この不均等を是正する為に緩やかに上昇するだろうと予想できます。
今回の情報や、世の中にある他の情報を知ってもなかなか勝てない方も多いです。以下のページで勝てない原因を3点から分析しているので、こちらも是非目を通して参考にしてみてください!
・FXで勝てない理由3種!勝てる時期は?運と資金力からも検証!
「人民元/日本円(CNH/JPY)」は通貨価値が低い為に、短期的なトレードには向いていません。
また、まだまだ世界経済への流通量も少ない為に為替取引に向いた価格変動が少ない事も短期トレードに向かない理由です。
ですが、長期的には値上がりするという見方が多く、長期保有向きの通貨と言えます。
また、スワップポイントについても日本円とはポイント差がプラスポイントとなっており、それでも利益が望めます。
ただし、上昇する為には継続的な経済成長が必要です。
中国は、まだまだ社会主義国家特有の閉鎖的・秘密主義的な国家です。
トレードするならば、中国の動向に注視して些細な動きにも敏感になる必要があります。
以下のような2017年現在の中国とその周囲に起きている最新ニュースとアメリカと中国の駆け引き説明動画を参考にするといいですね。
『中国とアメリカの駆け引き「為替操作国」』
このように世界経済に大きな影響力を持つアメリカの情報を網羅的かつ最速で入手する事はテクニカル分析において非常に有効です。この手法は以下で紹介していますので、参考にしてみてくださいね!
・FX経済指標の速報をリアルタイムで配信!ニュース情報源を比較!
アメリカで発表される経済指標等は、全通貨ペアに影響を与える可能性があるものもありますので、少なくとも以下で紹介している5種類は知っておくと損はないですよ。
・FXで来週のドル円予想!為替重要指標5傑で見通しを立てる!
総論で述べた様に「人民元/日本円(CNH/JPY)」は、2017年現在では価値が低い通貨ペアとなっています。
ですから、預金的な感覚で所有して為替差益とスワップポイントの両方で蓄財する事が理想ですね 。
ただし、何度も言うように急な変化を起こしやすい通貨ですから、経済情報には注意して運用することが必要です。
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