今回はFXでドル円の来週の予想をしようとする時に役立つ情報を、5つのポイントに絞って分かりやすく紹介します。
ドル円の対象国・アメリカの「経済指標」や「要人発言」は、FXにおいてドル円の状況を推し量る目安となります。
今回はそのような、国の景気状態を知るための「経済指標」について説明して行きます。
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目次
「経済指標」は、その国での様々な景気状態を数値化して発表されるものです。
よく耳にする経済指標としては、「GDP(国内総生産)」や「失業率」などがあります。
こうした「経済指標」の情報は、為替市場だけでなく株式投資や実際の設備投資などでも利用されています。
例えば、日本の経済指標がマイナス傾向であれば、海外の投資家は日本会社の株を売り、日本市場から資金を引き揚げます。
資金を引き揚げられると日経平均株価が下がり、株価と相関性のある為替市場も同様に影響を与えるため、日本円の価値が低くなります。
経済指標はこのように間接的に為替に影響を与えるため、通貨ペアと関係の無い別の通貨ペアへも影響を及ぼす場合もあります。
経済指標を利用したトレードも実際にデモ口座等で何度か試してみましょう。そして、以下のサイトであるような期待値を利用し、そのリスクの大小を検証することで、自分に合っているかを判断するのが良いですよ!
・FX期待値計算でなぜ勝てない?確率論応用手法と勝つための心理!
「経済指標は、各FX会社のツールまたはHP投稿にて掲載されています。
経済指標の情報をいち早く知るために、参考にするHP等で投稿が発表される日時を把握しておきましょう。
ちなみに私は「Yahooファイナンス」の経済指標で確認していますが、このサイトだけでも十分な情報を入手することができます。
大体の場合、各種「経済指標」の詳細だけでなく「為替市場に及ぼす影響度」や「予測値」についても明記されていますね。
影響度が高い指標が発表された時、「予想値」よりも大幅に良い値が出たり、逆に大きく悪い値が出るとそれにつられて為替価格も大きく変動します。
その為、手堅く稼ぐには重要度が高い経済指標の発表時にはトレードをしない、またはポジションしておかない方が逆に賢明かもしれませんね。
多くの経済指標は発表される日付や時間が定められています。
今回はFXではオーソドックスな通貨ペアである「米ドル/日本円(USD/JPY)」を例として取り上げ、アメリカと日本で発表される経済指標について見てみましょう。
「米ドル/日本円に着目する場合、日本よりアメリカの経済指標の方が重要視されます。
この2つの国の経済市場の広さは圧倒的にアメリカの方が大きく、より市場に対する影響力が強い為です。
また「米ドル」が世界の基軸通貨として通貨レートに影響を与える役割を担っている事も理由にあげられます。
そこでアメリカの経済指標を一覧表にまとめてみました。
この全てのなかでも特に主要な5項目の指標に関して、その詳細と発表時の「米ドル/日本円」チャートをご紹介します。
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「雇用統計」といっても経済指標では以下のように細分化されています。
この中でも「非農業部門雇用者数」と「失業率」は重要視されている指標ですね。
「非農業部門雇用者数」はその名前の通り、農業従事者および自営業を含まない雇用者数であり、全米の1/3にあたるといわれています。
例として、「非農業部門雇用者数」と「失業率」が発表された2015年11月6日22:30のチャートを示します。
この時には、予想値18.5万人に対して結果は27.1万人と大幅な上昇を受けて、アメリカの景気が良いと判断され約1円程度のアップ、上値になりました。
これはアメリカ国民の個人支出について調査し数値化した指標です。
米国商務省経済分析局が毎月月末に発表していますね。
個人消費の度合いを示す指標なので、数値が高ければ景気が良いという表れになります。
2016年2月26日発表時でのチャートを示します。
発表が毎月第一営業日と主要経済指標の中で一番早く発表される為、アメリカの景気動向を知る為の試金石的な情報です。
ISM(Institute for Supply Management:供給管理協会)が発表しており、景気の転換状況を示し、指数が50%を超えれば景気上昇、下回ると景気後退を表します。
2016年4月1日発表時のチャートを示します。
この時は、先に説明した「非農業部門雇用者数」も発表された為、一度大きくアップしてからダウンする展開になっています。
GDPは「速報値・改定値・確報値」の3つが四半期ごとに集計されて、個々に発表されます。
特に「速報値」については最初に発表される値である為、関心が高く為替にも大きく影響しますね。
「速報値」については、四半期ペース(1月,4月,7月,10月)の下旬に発表されます。
例は2016年1月29日でGDP(速報値)発表後のチャートです。
この時には昼間に「日本銀行・黒田総裁定期会見」があり、0.1%のマイナス金利適用を発表して大きく値を伸ばし、さらにGDP発表でなんと最大3円ほど上昇しました。
「日銀金融政策決定会合」の後で行われる「日銀総裁の会見」の様な発表会見や、重要な役目を持っている金融関係者の発言などは為替市場へ大きな影響を与える可能性があります。
新聞やニュースなどで「黒田バズーカ―」と言う言葉をよく耳にしたと思います。
日本銀行の黒田総裁からの金融政策緩和策などの発表が市場経済に大きな影響力がある為にその名前がつきました。
「日銀金融政策決定会合」などの会議については、開催日だけが確定しており、会議結果の発表する時刻は未定となっています。
例としては2016年4月28日での「日銀金融政策決定会合」発表後の「米ドル/日本円」チャートです。
この時、日本銀行から何かしらの金融対策を打ち出すと予想していた市場からするとネガティブサプライズであり、ドル円は短時間になんと約3円下落しました。
大きな価格変動であった為、ダウントレンドは5月にまでもつれ込みましたね。
一方、アメリカにも同様な会合があります。
上記の図表のトップに示した「FOMC議事録公表」および「FOMC政策金利発表」と呼ばれるもので、年8回行われています。
「米連邦準備理事会(FRB)議長、発言」などの講演では開始時刻は確定していますが、その講演内容で市場に影響するような発言が出るかは不明ですね。
こうした「要人発言」は市場に影響が出るかはっきりしていない為、トレードで事前予知して対応するのは難しいかもしれません。
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ドル円に限らず、FXの取引予想で一番よくないのは、
「今までこうだったから、価格は戻る」
と乏しい根拠だけでホジションを放置してしまう事。
そうした提言も含めて、関連動画をご紹介しておきます。
「FX 経済指標発表時はギャンブルをしない」
今回はドル円に的を絞って説明しましたが、ユーロ円など他の為替でも経済指標が重要であることに変わりありません。
こまめに情報を確認するためにも、 「経済指標」については毎朝チェックする事をお勧めします。
為替市場への影響はその場限りの限定的な場合が多く、レンジ相場のように一時だけ大きく値動きを起こしても元の価格へ戻る事も多いです。
もし、チャートの動きが意図する方向と違う方向へ動き、評価損益がマイナスとなっても「損切り」するのは待った方が良いでしょう。
ただし、チャートを大きく変動させる経済指標は、その後に長期的なトレンドを発生させている場合もあります。
「いずれ価格は戻るだろう」と思っていると、そうしたトレンドに巻き込まれて「損切り」出来ずに大きな損失を被る場合もあります。
「経済指標」に巻き込まれて、評価損益がマイナスになった場合は「逆指値」を設定して必ず被害を最小限抑えるストップ注文にてリスク回避をしましょう。
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