前回記事でナンピン手法をお伝えいたしましたが、無限ナンピンを仕掛ける際に注意したいのが最低取引通貨量です。
FX取引での最低取引通貨量は1口10000通貨が一般的であり、FX口座開設時には知名度や手数料の安さ、キャッシュバックキャンペーンなどでFX会社を選んでしまいがちです。
しかし取引数の多さから全体の取引通貨量が増えてしまいがちなナンピンでは、1口1000通貨で取引可能なFX会社を選ぶのが鉄則です。
そこで今回は、スマホ・パソコンそれぞれでおすすめな「1000通貨で取引できる会社」の紹介と、「無限ナンピン」についてお伝えいたします。
目次
簡単取引画面から高機能取引ツールまで搭載、初心者~上級者すべてに対応
スプレッド業界最小クラス
株式(1株から可能!)、NISA、金、投資信託、idecoまで1アカウントで投資分野ほぼすべてを網羅
スマホ取引でおすすめなFX会社は、私も実際に愛用しているマネックス証券です。
情報量が少なくて見やすいスマホ専用の取引画面もありますが、様々な金融保有資産の残高を表示させられるパソコンの取引画面をそのままスマホで見ることも可能です。
複数の取引の確認にはとても見やすいため、ナンピン等で取引量が多くなりがちな方には特におすすめの証券会社です。
パソコン取引メインの方向け
サポート24時間体制
常にシステム更新でツールが改善
初心者から上級者まですべての層を網羅した見やすいツール
FX会社としては一番の老舗で、ユーザー取引目線で常に取引ツールの更新を行っています。
当サイトでも、チャート等の取引画面はヒロセ通商のものを利用しています。
画面上に表示される最新情報をチェックしながらできるので、少ないウインドウでスムーズに取引できます。
デフォルトの取引ツールにとらわれず、画面上にウインドウを好きなように配置したい方にお勧めの会社です。
基本的な考え方は通常のナンピンと同じですが、無限ナンピンではさらに、
という、考えに基づいて行われます。
ナンピンの基本的な計算方法は、こちらを参照してください
⇒FXナンピン計算をエクセルで!計算機併用で損益分岐点を管理!
まずは下図で説明しましょう。
「1$=100円」を起点とし、「1$=95円」まで下落した後に100円まで上昇するチャートを仮定します。
この時に1円下がるごとに「買い注文」を仕掛けます。
すると、図の様に「注文1」から「注文5」までの「買い注文」が発生します。
「1$=99円」で「注文1」を発注した後に価格が反転した場合、下図の通りに100円時の「決済1」で1円のプラスになります。
今度は、「注文1」と「注文2」を発注して「注文2」から反転した場合。
「決済1」で「注文1」は0円で「注文2」は+1円、合計の収益は+1円です。
「決済2」に到達すると「注文1」は+1で「注文2」は+2円となります。
この時の最大利益は『3円』
最終的に100円から95円間を上下した場合、「決済5」で最大15円の利益になります。
100円から95円まで推移した時の「注文1」から「注文5」までの一覧表を示します。
ちなみに「注文5」での「損益分岐点」は97円です。
一覧表を見てみると、各注文を追加する毎に「0」の位置が変化していくのが解ります。
「無限ナンピン」は無限とつくものの、実際はチャートの下落と共に「損益分岐点」を操作し、最初の注文よりも早い段階で利益を出す方法です。
また「無限ナンピン」は、自動取引(システムトレード)で「トリラビ」と共に多用されている手法でもあります。
「無限ナンピン」が有効であるという根拠は、「マーチンゲールの法則」に基づいています。
「マーチンゲールの法則」は、日本では「倍々法」「倍賭け法」と呼ばれ、ギャンブルで勝つために使われる「ベッティングシステム」という技術のひとつです。
手順は「無限ナンピン」と同じ、「常に前の賭け金の倍を賭ける」というものです。
ギャンブルのルーレットの、ボックスの色を「赤」か「黒」かを当てるを例に挙げましょう。
「赤」と「黒」の2通りしかありませんから、当たる確率は1/2。このギャンブルでの払い戻しは、賭け金の2倍です。
最初は1円を賭けたとすると、次は2円、2円の次は4円と続いていき、こうやって勝つまで賭け金を倍々にしてゆきます。
最初の1回目を1円から始めて、8回目で勝ったとすると下表の通りになります。
表で示した様に「損害金」より「配当金」が1円プラスとなります。
これをFXに当てはめると、「赤・黒」は「買い・売り」と対応し、どちらか一方に倍々の注文を仕掛けていけば、常に勝ちが発生した時点で「配当金>損害」となって負ける事はありません。
この様に「マーチンゲールの法則」は、知識や思想がいらない方法ですので、FXでは「無限ナンピン」としてシステムトレードに利用されています。
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一見すると有効に見える「無限ナンピン」ですが、実際に利用するには様々な欠点もある手法でもあります。
「ナンピン」を仕掛けた後、利益が回収できるまで価格が戻るのか、逆にどれだけ乖離し続けるのか、予想することは非常に困難です。
理論上、いつかは利益が出るとしても、実際にいつ利益が出るのか不明なまま資金を腐らせておくことは非常にもったいない話でもあります。
効率的に「無限ナンピン」で利益をあげるためには、利益が出る可能性の高い地点を見極めるため、トレンドを分析するスキルが必要になってきます。
トレンドの読み方については以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
1)トレンドとレンジの判断に関して誰もが知っておく知識については以下のサイトで、
・FX相場をトレンドとレンジで見極める!インジケーターを利用した判断方法
2)トレンドを読む為の経済情報で、最近の朝鮮半島の情勢から特に、韓国ウォンのチャート分析および予想と経済情報の入手ルートの紹介については以下のサイトで、
・ウオン円レート推移を大胆予測!韓国事情と過去チャートの分析も!
3)主だったFX関連速報を網羅する場合には、以下のページで紹介するベンダーを抑える手法を、
・FX経済指標の速報をリアルタイムで配信!ニュース情報源を比較!
4)その中でも最重要通貨である米ドルの経済指標の発表時期等の情報は以下のサイトで、
・FXで来週のドル円予想!為替重要指標5傑で見通しを立てる!
これらの情報をもとに、常に一定のルールで・一定のトレンドに発注を続けるのが「無限ナンピン」で有効な方法です。
「ナンピン」は、先に述べた様に「長期戦」を覚悟しなくてはなりません。
「米ドル/日本円」にスワップポイントはありませんが、他通貨ペアの場合で金利差が逆転した場合にはマイナス金利になる場合もあります。
もしそうなると、微々たる金額ですが支払いが発生してしまいます。
マイナスがあるという事は、発注金額にプラスアルファした価格で決済しないと利益になりません。
価格が乖離して行く毎に発注を続けるため、時間が経過するほどドンドン掛け金は増大して行きます。
価格が思い通りに推移して利益を得られればよいのですが、損害金額を見て「損切り」することはできるでしょうか?
損切りの最低ラインを取り決めていたとしても、「損切り」することは困難なはずです。
こうした、『目に見える損害を避けたい為、見えない大きなリスクを選択してしまう』事は人間によくある事は「プロスペクト理論」で説明することができます。
困難や損害を回避したい気持ちは誰にでもありますが、それをあえて選択する事で大きな損害を回避する精神力がFXトレード必要です。
「ナンピン」は、その他の取引方法に比べて時間とお金を使う手法です。
発注数が増えれば増える程、時間と資金も同様に造花していきます。
「無限ナンピン」となれば、価格が反転するまで仕掛けなくてはならないのですから、時間的にも資金的にも副業トレーダーや一般のトレーダーには荷が重い手法です。
上記の理由から、「無限ナンピン」が成立するのは、あくまで資金力があるトレーダーに限られるでしょう。
他人のお金を運用している証券会社でも資金量から仕掛ける事は可能かもしれませんが、リスクや顧客への配当金の支払いを考えると、「無限ナンピン」は選択しないでしょう。
しかし、「ナンピン」という手法自体が悪いとは言えません。
今回のデメリットと逆の条件づけをすれば、「ナンピン」でも利益が望める可能性はあると言えます。
こうしてリストアップすると、やはり前回同様、限定的な条件でしか「ナンピン」という手法は成立しません。
動画ではナンピンで危険視すべき、予想外のアクシデントに関する動画をご紹介します。
「FX大損・失敗|良いナンピンと悪いナンピンについて」
FXは「貯蓄」と異なり、お金を「運用」し「利益」を生み出す事を目的としています。
効率的に「利益」を上げるためには、限られた期間内に少ない労力でお金を増やす工夫が必要になります。
「無限ナンピン」という不特定の期間に渡って資金を据え置く事は、運用とは言いづらいのが正直なところです。
それよりは、他の通貨ペアで発生しているトレンドに乗る事ができるスキャルピングのような手法の方が、より大きな収益を得られる可能性があります。
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