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FXナンピン計算をエクセルで!計算機併用で損益分岐点を管理!

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今回は、「ナンピン」という手法に注目した収益アップテクニックを紹介していこうと思います。

 

前回の記事では、「両建て」+「ナンピン」を併用した手法をご紹介しました。

 

以下のサイトから参考にしてくださいね。

 

それではこれから、ナンピンの意味や計算方法、必勝の心構えをお伝えしていきます。

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ナンピンとは?

 

「ナンピン」は漢字では「難平」と書き、「損失(難)」を「平ら」に均すことを意味しています。

 

FXの取引で、損失が出てしまいそうな時に「買い増し」を行い、損失を抑える手法です。

 

トレンドチャートは上昇と下降を周期的に繰り返しています。

 

その特徴を利用して、「アップトレンド」ならば「売り注文」、「ダウントレンド」ならば「買い注文」を複数回行う行為を「ナンピン」と呼びます。

 

まずはサンプルで実践的に「ナンピン」という方法をご説明しましょう。

 

「米ドル/日本円」の通貨ペアがダウントレンド時に、下記の【トレードA】および【トレードB】を行ったとします。

 

【トレードA】

 ① レート:100円=1米ドル時……1万通貨(1Lot)買い注文

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【トレードB】

 ① レート:100円=1米ドル時……1万通貨(1Lot)買い注文
 ② レート:99円=1米ドル時……1万通貨(1Lot)買い注文
 ③ レート:98.5円=1米ドル時…2万通貨(2Lot)買い注文

nanpin2

 

ダウントレンドが継続すると損害は大きくなって行きますが、いずれは反転してアップトレンドに転換します。

 

アップトレンドへ転換した後、【トレードA】および【トレードB】では、損失が「ゼロ」となるレートに相違が出来ます。(ただし、スプレッドおよびスワップポイントは考慮しない。)

 

答えは下図の通りとなります。

nanpin3

【トレードA】の「損失ゼロ」のレート

トレード開始時と同額=「100円=1米ドル」にならないとゼロにならない。

【トレードB】の「損失ゼロ」のレート

「99円=1米ドル」で損失ゼロになる。「99円=1米ドル」での各注文の損益
① 1万通貨(1Lot)買い注文(100円=1米ドル時) = 差額:\-1
② 2万通貨(1Lot)買い注文(99円=1米ドル時) = 差額:\±0
③ 2万通貨(2Lot)買い注文(98.5円=1米ドル時)= 差額:\+0.5

①+②+③=(-1×1Lot)+(±0×1Lot)+(+0.5×2Lot)=±0

 

結果は【トレードA】は「100円=1米ドル」の1回のみの購入なので、レートが100円に戻ってやっと損失が回復。

 

一方、【トレードB】は「99円=1米ドル」で損失が回復するため、【トレードB】>【トレードA】となります。

 

この様に反対方向へ買い増しをする事で、チャートの転換時に低い価格で「損失ゼロ」へリカバリー出来ます。

 

より低い価格で損失がゼロとなるので、利益の見込めない通貨の保有期間(ポジション保有期間)を短縮でき、次のトレンドへ素早く対応する事が可能です。

 
ここまでが「ナンピン」の基本的な手法となります。

 

さらに損失を抑えるための応用技を以下の記事で紹介しておりますので、興味のある方はあわせてご確認ください。

 

⇒FX1000通貨で無限ナンピンなら負けない?欠点や可能性について!

 

このように、「ナンピン」は損失を無効化出来る素晴らしい手法に見えますが、実は仕掛けるには数多くの条件があります。

 

実際には「スプレッド」や「スワップポイント」も考慮しなくてはなりませんし、程よい価格でトレンドのレートが反転してくれなくてはなりません。

 

そうした諸条件を考慮して、トレーダー自身が【計画的】に「ナンピン」を仕掛けなくてはなりません。

 

無計画に成り行きで「ナンピン」を実行しても、レートが回復しないまま【ロスカット】へ向かって「トレンドの坂道を転げ落ちる」か、逆に「トレンドのジャンプ台から飛び出す」という結果になります。

 

まずは「ナンピン」を行う為に、仕掛けた注文から【"損失ゼロ"となる適正な価格】を導き出さなくてはなりません。

 

そこで損失をできるだけ回避するために、平均購入単価を計算しておく必要があります。

 

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損益分岐点を見極める!!「平均購入単価」の計算

 

ただ無計画に「ナンピン」を仕掛けても、どこで損失が「ゼロ」となるのかを把握しておかないと、損失を余計に増やす事にもなりかねません。

 

そうした「損益分岐点」と言える価格の事を「平均購入単価」と呼びます。

 

先の【トレードB】をベースとして、「平均購入単価」の算出方法をご紹介しましょう。

nanpin2

【式1】...「平均購入単価」={(レートa×通貨単位a)+(レートb×通貨単位b)+…}÷(通貨枚数a+通貨枚数b+…)
レートa,レートb…注文を行った時のレート価格、「米ドル/日本円」ならば、「1$=\***」の日本円価格
通貨単位a,通貨単位b…注文時の通貨枚数(Lot数)

 

「レートa…」および「通貨単位a…」は、それ時の注文数全てを合算し、平均を算出します。

 

先の【トレードB】の「平均購入単価」を算出するために、各数値を【式1】へ代入してみます。

 

① 1万通貨(1Lot)買い注文(100円=1米ドル時) →レートa=\100,通貨単位a=1Lot
② 2万通貨(1Lot)買い注文(99円=1米ドル時) →レートb=\99,通貨単位b=1Lot
③ 2万通貨(2Lot)買い注文(98.5円=1米ドル時)→レートc=\98.5,通貨単位c=2Lot

①から③の「レートa,b,c」および「通貨単位a,b,c」を【式1】へ代入。

 

「平均購入単価」={(100×1)+(99×1)+(98.5×2)}÷(1+1+2)
=396÷4
99

 

損害がゼロとなる「平均購入単価」は、「$1=\99」である事が判ります。

 

この式で「平均購入単価」を算出する事で、トレードで「ナンピン」を仕掛けた時に損害がゼロとなる価格が判断出来ますね。

 

「ナンピン計算ツール」エクセルや無料で使える計算機を利用する

 

「平均購入単価」を手計算で算出するのは、中々面倒な作業です。

 

また「ナンピン」を行う時、あらかじめある程度の損益を予想しておくことも重要です。

 

「平均購入単価」の算出方法で有用なのは、「エクセルなどの表計算ソフト」や「無料で利用できるナンピン計算機」を活用することです。

 

それでは早速、方法をご紹介していきましょう。

 

1).エクセルで「平均購入単価」を算出する

 

「平均購入単価」の算出だけならば、購入単価の平均値を求めるだけでいいので、上記の「式1」を利用して容易に計算することができます。

 

関数の扱いに慣れているなら「平均購入単価」を求める以外に、工夫次第でより利便性の高い利用も可能になります。

 

例えば、あらかじめ表を作成していれば、購入額や購入数を入力するだけで、簡単に「平均購入単価」を求めることができます。

 

また、スプレッドなどの数値を反映させることができれば、より精度の高いナンピン計算も可能です。

 

一方、他の取引データと連動させるためには、エクセルの取り扱いはもちろん、反映させる数値の取り扱いにも熟知している必要があります。

 

2).「ナンピンくん~無計画~」

 

本サイトでは、目標とするレートを設定した場合の損益(pipsおよび日本円)と、各注文から「平均購入単価」を算出できます。

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ただ、概略計算なので、スプレッドやスワップポイント、レバレッジなどの数値が細かく考慮されていません。

 

あくまで「ナンピン」を仕掛ける前の「目安」として使用してください。

 

3).平均単価計算(ナンピン計算)

 

こちらのサイトでは「平均購入単価」の計算と、価格の変動に応じた損益変動を見ることができます。

 

価格変動によって、どれだけの損益が出るのかを確認するだけならば、こちらを利用するのがいいでしょう。

 

動画で分かる!ナンピン初心者の最強必勝法!!

 

動画では「ナンピン」について、初心者へ向けて作成された「良いナンピン」と「悪いナンピン」を説明した動画をご紹介しておきます。

 

FX 『下手な難平(ナンピン)スカンピン』両刃の剣だがトレードの強力な武器にもなる。

 

まとめ

 

今回は「ナンピン」という手法の詳細と「平均購入単価」などの基本事項についてご説明しました。

 

使用出来るシチュエーションは極めて限定的で、相場感の乏しいFX初心者投資には難しい手段です。

 

しかし、戦術としてマスター出来れば、大きな利益を得られる強力な戦術に成り得ます。

 

次回ではより深く「ナンピン」を使った手法をご説明したいと思います。

 

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